Café de Kamoe|鴨江珈琲

介入余地

 

自家焙煎の豆を扱う喫茶店の設計。

鴨江珈琲はかなり特殊な段階で始まった仕事である。はじめは店舗の照明選びのみを依頼されるはずだった。話し込んでいくと、どうやら現場は建て方が終わり、これから外装材の色選択や内装材の発注をかけようかどうかという段階であることがわかった。正直、それまでの段階で決まっていた仕様ではお店らしい振る舞いに欠けるのではないかと図面を見て感じていた。

大きな間取り変更ができなくとも、仕上げの選定やディテールのデザインでコストアップせず、魅力的な空間になることを伝え、現状を把握し最大限の介入を試みた。

深緑の天井

 

天井を深い緑に塗装した。少し自分でも冒険したと思っている。選定した理由はいくつかある。

店主は信念を持ち、渋みがありながら気さくさを兼ね備えた男性。無難に天井の色を考えると白となりそうだが、それではあまりにも明るく、落ち着きのあるその店主の雰囲気とは合わないと思い、彩度と明度の低い色の採用を決めた。

色相に関しては、今回、設置される焙煎器やソファが緑であり、それらとの調和を図ること。外構工事で植えられる植物が少ないこともあり、室内に自然の雰囲気を生み出すことを狙い、深緑を採用することを決めた。